お墓の移動 の続き
2007.05.02
先日のつづき
なぜ!
このお墓をばらばらにして石をそのまま使い移動させる事は無理なのか?
このお墓の特徴は・・・
納骨室の壁部分ですが、壁と柱での構造になっています。
(あらき石材はよっぽどの事じゃないとこの構造にはしません)
この構造の場合、
私の知っている範囲でほとんどですが壁の厚みが薄いのです。
しかも、今回のこのお墓の壁にはすでに ヒビ が・・・入ってました。
(一見、手が掛かった、よく出来た構造には感じますが・・・)
壁の構造(上から見た断面図)
↓ ↓ ↓
↑ ↑ ↑
こんな構造になっている
材料は薄く、しかも石同士をかみ合わせてある
↓
かみ合わせてあるんで外すのが大変。
↓
外すのが大変と言う事は、石に無理がかかる
↓
石に無理がかかると割れやすい
↓
割れれば割れたで「使えない」となるのですが、
割れても目立たないヒビになってる時があります。
(ホント見た目ではわからないヒビです)
↓
ヒビが目に付かなかった時、そのまま再利用すると、
時間が経った時、ヒビに水が浸入し、冬などは寒割れの原因になる事があります。
↓
こうなるとあらき石材としては保証できなくなるのです。
(このお墓を建てた石屋さんに相談されたほうがいいのでは?
と言う事もご提案しましたがその石屋さんはすでになくなっており、
どこに行きようもなくあらき石材へ来られたそうです)
工事しますけど保証はしませんと言うのもナンなんで、
お客様と相談し、『使える部分』と『使えない部分』を考え、
半分から上を使う事にしました。
他にも、お墓の下回りで使えるところはあったのですが、
『新しい石』と『既存の石』では色が合わないので半分で分けて
下半分は新品の石で作ることをご提案しました。
お客様はすべてを私に任せてくれて、作業させていただきました。
注意
今回、納骨室の壁石を取り上げましたが、
このお墓には他にも使えなかったところは多かったのです
また、
施工方法もずさんで壁よりも上の部分は簡単に取り外しが出来ました。
案の定、壁部分は使える状態ではありませんでした。
そして出来たお墓は・・・
完成写真 ←クリック
今回の工事はあくまで『あらき石材はこの様なご提案した』と言う事です。
また、お施主様と話し合いの上にこういう工事をさせていただきました。